ゆとり、会社やめるってよ

アメシン。一部上場企業を退職した20代ゆとり。仕事関係、お笑い、書評、スポーツ情報など、綴ります。

【漫画】衝撃の問題作?「善悪の屑」を読んだので、感想まとめてみる

こんばんわ、どうも僕です。

 

最近、漫画喫茶で、「善悪の屑」を読んだ。
おそらく、2ちゃんねるまとめサイトなどの広告で、この作品を知った方も多いだろう。そういったサイトを見ていると、ページのどこかしらに、ちょっとエロそうな漫画や、整形依存症みたいな女が出てくる漫画や、「トウニョウがうつるから外でサッカーやろう!」みたいな漫画の広告が掲載されている。

 

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この広告は、「Handyコミック」や「Renta!」などの電子書籍サイトの宣伝のようだが、なぜかその作品が気になるのだから、その宣伝力は侮れないものである。僕も、まさに「善悪の屑」をまとめサイトの広告で知った一人だ。

 

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そう、これが「善悪の屑」の広告だ。
いかんせん、「もう二度とウンコできないねぇ」のフレーズが強烈である。何をしたらうんこが出来なくなるのか、僕は気になって夜もオチオチ眠れなくなり、その謎を解明すべく、せっせと漫画喫茶へ足を運ぶ事にしたのである。そう、恥ずかしいが、”ウンコ”に引き寄せられたといっても過言ではない。

 

今回は、キングオブクズで、クズに定評のある僕が、ちょっと簡単に「善悪の屑」の感想とか綴りたいと思う。

 

 

あらすじ&登場人物 

あらすじ

街中にある小さな古書店『カモメ古書店』を営む2人の男・カモとトラ。2人は裏では「復讐屋」 を名乗り、法の裁きから逃れた加害者を被害者の代わりに壮絶な復讐をもって裁きを下す処刑人であった。(wikipediaより)

 

登場人物 

●鴨ノ目 武(かものめ たけし)
本作の主人公。通称:カモ。
坊主にサングラスをかけた男。額に傷跡がある。普段は『カモメ古書店』店主。冷酷非情に見えるが、犯罪の被害で傷ついた依頼人を不器用ながらも救おうとする人情もある。その反面、悪人や犯罪者に対しては相手が未成年だろうと、容赦無く制裁を加える。常に感情をほとんど出さず、悪人に対し拷問じみた制裁を加える際にも顔色ひとつ変えない。
※案外、おっちょこちょいである。

 

●島田 虎信(しまだ とらのぶ)
カモの相棒。通称:トラ。
髪型はセミロングで、関西弁を話す。卓越した格闘術を持つ。カモの自宅で同居している。義侠心に溢れ、カモに劣らず悪人を憎む心は人一倍強いが、感情移入するあまり、復讐屋のやり方に背いてまで悪人をすぐに殺そうとする等、真っ直ぐな性格故にカモと意見が衝突することもある。かつては地下格闘技の常連であり、道行くチンピラ達に自ら喧嘩を売りに行くほど好戦的な性格をしていた。
※ちょっと、というか結構なDQNである。

 

感想

期待していたよりは面白かった。
「もう二度とウンコできないねぇ」の理由も分かったし、それは確かに満足なんですけど、ちょっとご都合主義なところが気になった。

 

ストーリーは、基本的に、殺人や強姦など、凶悪な犯罪を犯したにも関わらず、真っ当な裁きを受けなかった者を、被害者遺族に代わって、カモとトラの二人が復讐する、といった流れ。

 

ただ、どうしても、内容は既視感があるのは否めなかった。
この復讐代行というアイデアは、栗原正尚さんによる漫画怨み屋本舗が先駆けだったような気がする。

 

この漫画は、何らかの恨みを持つ依頼者の為に、「怨み屋」と呼ばれる人間が、復讐代行をするという物語だが、こちらも時事的な話を盛り込んできたりしていたし、「善悪の屑」とストーリーの根本的な部分は同じである。


まあ、「怨み屋本舗」は初期は好きだったのだが、途中からは、ご都合主義な展開と、主要キャラがばんばん死んでいったりと、ちんぷんかんぷんになって、ついていけなかった思い出がある。

 

他にも、復讐漫画でいうと、松本次郎さんによる「フリージア」が挙げられるか。凶悪犯罪の被害者遺族が一定のルールに基づいて、加害者に復讐する「敵討ち法」が成立した時代を舞台にした漫画で、癖のある絵柄と物語で、敬遠されがちな印象だが、面白かった記憶がある。

 

まあ、「善悪の屑」にしろ、「怨み屋本舗」にしろ、例えるならば「現代版必殺仕事人」といった感じである。

 

「善悪の屑」は絵は上手いし、構成なども分かりやすくて、漫画として、そこは良かったんですけど、「ちょっとカモ達がおっちょこちょい過ぎへん?」と何回かツッコミを入れたくなる事が多かった。

 

上述したように、強姦・殺人などの前科がある者に制裁を加えていくんですけど、そんな奴らって、頭イカれてて相当ヤバイ奴らじゃないですか。普通なら、完全に処刑するまで、目を離したりとかしたらダメじゃないですか。でも、ネタバレするんで、あんまり詳しくは言いたくないんですけど、カモ達が目を話した隙に、対象者に1回逃げられるんですよ。

 

「いや、さすがに目離したらあかんやん!」と僕は思わず、心の中でダイナミックに突っ込んだ。だって、相手は凶悪犯罪者じゃないですか。いくら対象者を拘束しているとはいえ、これから酷い拷問をしようって時に、油断したらダメじゃないですか。週刊誌の袋とじを開ける時ぐらい、精神を集中しないとダメじゃないですか。顔バレしてるし、余裕かましてたらダメじゃないですか。「あかんやん….!油断しすぎやん…!」と、カモ達のおっちょこちょいぶりに、少し呆然としたものである。

 

まあ、結局カモ達の家に居候してる女の子が、「携帯」を対象者の服に忍ばせるというファインプレイで、GPS追跡できた訳なんですが、よく考えて欲しい。

 

いや、普通、気づかへん!!???
対象者も殺されかけて気が動転しているとはいえ、逃げてる最中に、携帯に気づかないもんだろうか。普通は、逃げてる最中に、まず自分の持ち物とか調べると思うんですけど、対象者がアホなのか何なのか、見事に気づかずに追跡されちゃっとるんですよ。

 

お前は馬鹿かと。お馬鹿ちゃんかと。何をちゃっかり追跡されとんねんと。まず持ち物チェックして、その後どっかに身を潜めるか、前科あろうが何だろうが、警察に駆け込むのが、普通じゃないだろうか。

 

こんな感じで、カモ達はおっちょこちょいな部分もあるんですが、まあ何だかんだで毎回、処刑は上手く出来ちゃいます。ただ、あんなにバンバン前科ある者を処刑しまくって、逮捕されないという不思議。あんだけ処刑しまくってたら、さすがに証拠が残りそうなもんですが、警察は機能してないのかってぐらい、スルーされているのである。そこら辺が、ちょっとご都合主義っぽくて気になった点である。

 

エログロありなので、苦手な方は注意。
ただ、「女子高生コンクリート殺人事件」や、「光市母子殺害事件」、「大津市中2いじめ自殺事件」など、実在の事件をモチーフにしているのは、勇気のある試みで、この漫画の良い点ではないかと思う。

 

残酷な事件ではあるが、それらを取り上げる事で、少年法の是非など、改めて問題提起する事が出来るし、それこそタイトルにあるように、読者も「善悪」について考え直す事が出来るのではと思う。

 

まとめ

僕的には、こういうダークな漫画の中では、やっぱり話の密度やキャラクターといい、闇金ウシジマくんが圧倒的に好きである。あれは、もはや聖書だと思ってるし、パチンカス時代は、大負けした日には、正座しながら「フリーターくん編」を泣きながら読んで反省したものである。

 

「善悪の屑」はエログロありだが、胸糞悪い奴らを成敗していく爽快感はあるので、気になる方は是非読んで欲しい。基本的に1話完結なので、読みやすいかと思います。ダラダラ書きましたが、そろそろ苦情きそうなので、ここらへんで止めときます。終わり。