【書評】イン・ザ・プール 奥田英朗
こんばんは、どうも俺です。
一応、このブログでは、書評をしたいと考えています。
こう見えて、俺は昔から読書が好きでした。
幼少の頃から、作文を書いたり、読書をするのは、何故か理由もなく、好きだったように思います。
誰かの紡ぎ出した物語を読んで、感動したり、空想に耽ったり、作者の才能に驚愕したり、学生時代の俺にとって、小説がもたらす影響力というのは、計り知れないものでした。
といっても、例えば、ピースの又吉さんのように、多岐に渡って、読破しているほどではないのですが、有名作家さんの本や、評価の高い本は、チェックするようにしています。
社会人になった今も、月に2、3冊は小説を拝読するように努めているのですが、せっかく読んだのであれば、その感想をブログに書いてみようと思い立ちました。
「変態のくせに、評論家気取るなハゲ!アホ!カス!おしゃべりクソ野郎!でもそんなお前を嫌いになれないから不思議!」等という意見もあるかと思いますが、お付き合いして頂けると幸いです。
イン・ザ・プール
「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か。
第127回直木賞候補。
映画化もされた作品で、あまりにも有名かもしれません。
少し、どころか、思いっきり風変わりな精神科医、伊良部一郎と、5人の訳あり患者の物語。
これを書いたのは、人気作家の奥田英朗さん。
ユーモア溢れる文章や、群像劇を書かせたら、この人の右に出るものはいないんじゃないか、と思うほどの、俺の大好きな作家さんです。
その奥田英朗さんの代表作とも言えるのが、「イン・ザ・プール」です。
この伊良部一郎というのが、破天荒で幼稚で、本当に医者かってぐらいの振る舞いをするんですけど、それに振り回されている内に、患者が色々な事に気付かされていくんですよね。
伊良部を訪れる患者の症状は、確かに「異常」ではあるんですが、実は自分達と紙一重ではないか、と思わされるんですよ。
なかでも「携帯電話依存症」の高校生が出てくる話は、痛快で、印象深い。
本の発売当時(2002年)は、確かTwitterやFacebookなどはサービスが開始されておらず、SNSはそこまで普及していなかったように思います。
携帯電話が、メール・電話を主な手段として使われていた時代だからこそ、この高校生の取る行動が「異常」に感じていた訳ですが、今では、携帯がないと生活できないって人が結構いるんですよね。
そういう意味で、確かに5人の患者の行動はおかしいんだけど、読んでると、妙に親近感があるんです。
その読者の琴線に触れる微妙なラインを、ユーモアたっぷりに皮肉っているのが、この小説の醍醐味だと思います。
てか、これは、めっちゃ有名だし、読んで欲しいっす。
もう俺の評論家気取りの気持ち悪い反吐の出る文章は、もう一旦キレイさっぱり忘れて、読んで欲しいですね。
普段本を読まない、って方も奥田英朗さんの文章は読みやすいんで、興味持っていただけたらなぁと思います。
映画化もされてますし、そちらから入るのもありかな。
ちなみにこれはシリーズ化されてまして、2作目の「空中ブランコ (第131回直木賞受賞)、3作目の「町長選挙」と、全部で3作品あります。
正直3作目の「町長選挙」は、キャラクターの性格が変わったり、賛否両論ありますけど、それでも相変わらず面白い作品です。
奥田英朗さんの作品に関しては、またご紹介出来ればと思います。
それでは、しゃべり場今日はここまで!